ムコ多糖症やカントレル五徴症など、世界には様々な疾患を持って生まれてくる子供たちがいる。
今回インドで見つかった少年も、また同じように疾患を抱えていた。
毛むくじゃらの13歳少年
インド中央部に位置するマディヤ・プラデーシュ州。そこで生活をする13歳の少年ラリット君は、全身が毛で覆われる、いわゆる『多毛症』と診断されている。
体だけではなく顔も毛むくじゃらになることから、その風貌にちなんで『おおかみ男症候群』とも呼ばれるこの病気と闘うラリット君の姿をご覧いただこう。
今から13年前、インドの産院でラリット君を出産した母親は、毛で覆われた我が子を見てすぐさま看護師に異常性を訴えたという。しかし医師からは、ラリット君の健康状態に問題はなく心配する必要はないと告げられた。
そして、2011年に科学者たちはこの病気の原因となっている遺伝子変異を発見したのである。それは発毛の原因となっているSOX3という特別な遺伝子だった。
訪れる成長期への不安と期待
多毛症は典型的に遺伝性だと言われているが、ラリット君の家系にはこれまで多毛症の人はいなかったという。
病気と闘うラリット君は学校で石を投げられたりイジメを受けたこともあったというが、他人を見た目でからかわないようにという教師の一言でクラスメイトたちの態度も一変し、今では仲良く遊んでいるようだ。
毛が目や口に入って邪魔になったり、時には息をすることも一苦労だというラリット君。これから成長期に入りホルモンバランスの変化がどんな影響を与えるかわからない。しかし、多毛症が何も変わらなかった場合は、何らかの治療法を見つけ手術も検討したいと父親は話している。
そんななか、ラリット君は「20代になったらこの毛を剃るんだ」と動画の中で話している。彼が明るくこう話せるのも、彼を取り囲む家族や友人たちのあたたかいサポートがあるからだろう。これからも病気に負けず前向きに生きていってほしいと願ってやまない。
参照元:YouTube