今年の1月、edamame.でも取り上げたアリタリア航空が高価な楽器を壊してしまったという騒動は記憶に新しい。
そして今度はアメリカン航空と音楽家との間で、騒動が勃発した。
楽器用の席も買ったのに…
問題となったのは、ジンジン・フーさんがマイアミからシカゴに戻るフライトだ。
デポール大学で音楽を学ぶ彼女は、イベントに参加するためにマイアミに向かった。往路では何の問題もなかったという。
「帰りのフライトでも本人の席と楽器用の席を買いました。そのときに電話でアメリカン航空に確認したところ、問題はないとの返事を得ました。」そう語るのは、ジンジンさんの夫だ。
しかし当日、飛行機がまもなく飛び立つという段階になって、ジンジンさんは突然飛行機から降りるように指示された。チェロを運ぶには飛行機のサイズが小さすぎるという理由らしい。
アメリカン航空の規定によると、およそ75kgまでの楽器までなら機内に持ち込んで座席に置くことができ、彼女の楽器はそれよりも軽かったという。しかも、アメリカ国内の規則でも、大きな楽器の運搬には、ケースに入れた状態で楽器用の席を買って運搬することが認められている。
航空側の対応に問題か。過剰予約が原因との声も。
▲チェロのイメージ。
他にも楽器を運搬する際の規則はあったが、ジンジンさん側は「何も違反はしていなかった」と語る。確かに、明らかに問題だというなら電話で確認したときや搭乗するときに指摘されていたはずだ。
どうすることもできず、ジンジンさんは飛行機を降りることになり、翌日のフライトでシカゴに戻った。しかし、直後に別の乗客がジンジンさんのいた席に案内されていたため、過剰予約によって彼女が飛行機から降ろされたのではないかという声も出ている。
アメリカン航空側は、あくまで「伝達ミス」だったと主張している。
この対応に憤り、事態の全容をジンジンさんの夫がフェイスブックに投稿したところ、アメリカン航空を批判するコメントが多くつけられ、炎上状態となった。
▲実際の投稿
音楽家にとって楽器は自分の体の一部といっても過言ではないはずだ。楽器を運ぶために最善を尽くし、それが拒否されればショックだということは想像に難くない。
ジンジンさんはアメリカン航空に誠実な謝罪を求めている。事実関係の確認とともに、アメリカン航空の迅速な対応が待たれる。