海と地球をカガクしなイカ?
いまや社会現象とも言えるほど、大人気のゲーム「スプラトゥーン」。主人公のモチーフは「イカ」や「タコ」で、スミの代わりにカラフルなインクを打ち合う爽快なシューティングゲームである。
さて、今年4月、スプラトゥーン公式よりこんなツイートが発信され、話題を呼んだ。
突然だがお知らせだ!
海洋研究開発機構、通称「JAMSTEC」様とイカ研究所との共同研究が発表された。
その名も「Jamsteeec(ジャムステ~ック)~海と地球をカガクしなイカ?~」。
海洋科学技術を学びながら、カガクの視点でスプラトゥーンの世界を解き明かしていくぞ!https://t.co/J5Jil9cI2x pic.twitter.com/OKQkRFeam4— Splatoon(スプラトゥーン) (@SplatoonJP) 2018年4月1日
海洋研究開発機構(JAMSTEC・ジャムステック)は、「海洋・地球・生命の統合的理解」を目標に掲げ、世界最先端の研究を行う国立研究開発法人である。
国立研究開発法人といえば、選び抜かれた優秀な研究員たちが集う、日本を代表する研究機関。一般市民とはあまり縁がなさそうな世界にも思えるが、意外にも、6歳児の質問に真剣に答えてあげたり、セーラームーンとコラボしたりと、親しみやすい姿を見せる事がある。
ということで、海洋研究のプロフェッショナルであるJAMSTECと、海を舞台とするスプラトゥーンの「共同研究」についても、それほど驚くことではないのかもしれない。
JAMSTEC様とスプラトゥーン2は「海」そして「深海」というキーワードでつながっている。
当イカ研究所では、イカ世界や深海メトロの情報をお伝えしつつ、JAMSTEC様の公式アカウント@JAMSTEC_PRでは、モデルとなった深海生物の解説や、海や地球の不思議をご紹介いただく。
要チェックだ!— Splatoon(スプラトゥーン) (@SplatoonJP) 2018年4月1日
スプラトゥーンの世界を、JAMSTECが海洋科学の視点で解き明かしていく。その「共同研究」の様子を、少し覗いてみよう。
海の掃除屋・ダイオウグソクムシ
【オクト】彼の名は「グソクさん」。
見た目はちょっと怖そうだが、実は気さくなジェントルマンだ。
地下の実験施設で手に入る、あるモノにご執心らしい。 pic.twitter.com/8TO4w1FPuP— Splatoon(スプラトゥーン) (@SplatoonJP) 2018年4月11日
【JAMSTEC×Splatoon 2】ダイオウグソクムシはメキシコ湾などの深海に生息する世界最大のダンゴムシの仲間。死肉を食べ「海の掃除屋」と呼ばれることも。「グソクさん」もきれい好きかな?
共同研究レポート12「ダイオウグソクムシ」https://t.co/KgBUeqgAZP
※この動画はオオグソクムシです pic.twitter.com/GNOvIwqhoC— JAMSTEC 海洋研究開発機構 (@JAMSTEC_PR) 2018年4月11日
コワモテ巨漢・ニュウドウカジカ
【オクト】深海メトロにいる、貫禄のある乗客。
コワモテかと思いきや、よく見ると愛嬌のある顔をしている。
ぐっすり眠っていて、目を覚ますことはなさそうだ。 pic.twitter.com/OOQmgR3YJv— Splatoon(スプラトゥーン) (@SplatoonJP) 2018年4月16日
【JAMSTEC×Splatoon 2】深海メトロに体形は丸く鼻の大きなお客さんがいますね。ニュウドウカジカのようですが、深海の生息環境下ではこのような姿は観察されません。いったいなぜでしょうか?
共同研究15「深海の住人 ニュウドウカジカ」実はかわいいんですよhttps://t.co/CjtWqlKDIb pic.twitter.com/P578iEmogU— JAMSTEC 海洋研究開発機構 (@JAMSTEC_PR) 2018年4月16日
至る所に貼りつく・オオグチボヤ
【オクト】深海メトロの乗客……と言ってよいのか、壁や床など、至る所に貼りついている彼ら。
どうやって列車に乗り降りしてるのか、不思議だ。 pic.twitter.com/xAIRqptXZc— Splatoon(スプラトゥーン) (@SplatoonJP) 2018年4月25日
【JAMSTEC×Splatoon 2】オクトの深海メトロに大きな口のかわいい住人が乗っていますね。これはオオグチボヤ。名前のとおり「大口」をあけたような「ホヤ」ですが、なんで口を開けているのでしょうか?
共同研究レポート20「深海の住人 オオグチボヤ」で報告します https://t.co/TXWvkpHjlI pic.twitter.com/BDt7tCOZRG— JAMSTEC 海洋研究開発機構 (@JAMSTEC_PR) 2018年4月25日
上品なレディ・ピンポンツリースポンジ
【オクト】深海メトロにいる、淑女風の乗客。
上品な服装に反して、なんともキバツな髪型だ。
いつも静かに佇んでいるが、意外と肉食系というウワサも……。 pic.twitter.com/rCUKjFBIoe— Splatoon(スプラトゥーン) (@SplatoonJP) 2018年5月11日
【JAMSTEC×Splatoon 2】オクト深海の住人によく似たピンポンツリースポンジと呼ばれるカイメンの一種です。カイメンの芸術品のような形状とその生態は社会でのネットワーク構築へのヒントが隠されているかも?詳しくは共同研究レポート21「深海の住人 カイメン」で報告しますhttps://t.co/J4wvWghIaS pic.twitter.com/LQaZgHO5OD
— JAMSTEC 海洋研究開発機構 (@JAMSTEC_PR) 2018年5月11日
お疲れサラリーマン・ヘラツノザメ
【オクト】深海メトロにいる、サラリーマン風の乗客。
なんだかオツカレな様子だが、大きな目は見開いている。
目を開けたまま眠っているのだろうか……? pic.twitter.com/fbj5nSL0RE— Splatoon(スプラトゥーン) (@SplatoonJP) 2018年5月23日
【JAMSTEC×Splatoon 2】オクト深海の住人にヘラツノザメに似た乗客がいますね。深海にもサメなどの大型の魚類がいますが、どの生物がどの生物に食べられて食物連鎖ができているのかよくわかっていません。詳しくは共同研究レポート22「深海の住人 ヘラツノザメ」で報告しますhttps://t.co/2DKyRwcqLJ pic.twitter.com/gHalWdkuZR
— JAMSTEC 海洋研究開発機構 (@JAMSTEC_PR) 2018年5月23日
スリムな食いしん坊・ホラアナゴ
【オクト】深海メトロにいる、学童風の乗客。
スリムな体に似合わず食いしん坊らしい。
食べ物のことばかり考えていたら、口が大きくなってしまったようだ。 pic.twitter.com/faL3NLyy3Y— Splatoon(スプラトゥーン) (@SplatoonJP) 2018年5月30日
【JAMSTEC×Splatoon 2】ちなみに、こちらはホラアナゴの仲間。かなり大きなエサを飲み込んだのか、胃袋がエサの形に波打っているようです。エサの少ない深海は生存競争が激しい世界なのです。駿河湾の水深644メートルで撮影されました https://t.co/Q6dhZoGPNf pic.twitter.com/ebtVYJthLj
— JAMSTEC 海洋研究開発機構 (@JAMSTEC_PR) 2018年5月30日
実は団体さん・ヒノオビクラゲ
【オクト】深海メトロにいる、乗客。
複数の個体が連なっているように見えるが、個人客なのか、それとも団体客なのか判別し難い。
1人分の運賃で乗車しているとしたら……、なんだかズルい気がする。 pic.twitter.com/EvTKZyOJPX— Splatoon(スプラトゥーン) (@SplatoonJP) 2018年6月6日
【JAMSTEC×Splatoon 2】深海メトロにヒノオビクラゲらしき乗客がいますね。実は丸いひとつひとつが一匹であり触手のように見える部分もたくさんの一匹なのです。なんといくつもの個体が合わさり一匹のように生きているのです
共同研究レポート24「深海の住人ヒノオビクラゲ」https://t.co/GbKca8jXx0 pic.twitter.com/RkTpqgSh23— JAMSTEC 海洋研究開発機構 (@JAMSTEC_PR) 2018年6月6日
ガタイのいい体育会系・クリオネ
【オクト】深海メトロにいる、体育会系の乗客。
普段は天使のように穏やかな彼らだが、怒ると豹変し、怒髪天を衝くといった様相になるそうだ。
もっとも、彼らを怒らせる度胸のある者はいないが。 pic.twitter.com/iMPh2wup58— Splatoon(スプラトゥーン) (@SplatoonJP) 2018年6月15日
【JAMSTEC×Splatoon 2】深海メトロの体格のよい乗客。北極海などの冷たい海にいるクリオネに似てますね。肉食でバッカルコーンを伸ばし同じ巻貝の仲間を食べます。北極は海洋酸性化の影響が表れやすいため注視されています。
共同研究レポート25「クリオネと北極の生態系」https://t.co/wce134Wzmf pic.twitter.com/TzXGgNKtDS— JAMSTEC 海洋研究開発機構 (@JAMSTEC_PR) 2018年6月15日
ロード画面にいる・有孔虫
【オクト】深海メトロでの移動中、画面に現れる模様。
実は、海に棲む小さな生物の姿を模しているそうだ。
目を凝らさなければ見えないミクロの海にも、未知の生態を持つ生物や、地球の秘密を知るカギが潜んでいる。
それらは先進の技術と、研究者の情熱で解き明かされていくことだろう。 pic.twitter.com/BInHgHgn3F— Splatoon(スプラトゥーン) (@SplatoonJP) 2018年8月8日
【JAMSTEC×Splatoon 2】誰も気が付いていないと思いますが、オクトのロード画面のコレ。実は海と地球を知るために重要な生き物なんです。1mmに満たない小さな生き物が語る壮大な地球の姿。イカ研究所様との最後の報告です。
共同研究30「地球を語る“有孔虫”」https://t.co/mie4QzogyW pic.twitter.com/ENBfGlHEe1— JAMSTEC 海洋研究開発機構 (@JAMSTEC_PR) 2018年8月8日
これらの「共同研究」のレポートは、特設サイトにて公開中である。(リンク)
また、8月31日まで、JAMSTECの横浜研究所にてパネル展示もされている。入場無料らしいので、スプラトゥーンと海が好きな方は行ってみてはどうだろう。
2018年8月1日~8月31日の月曜日から金曜日(10:00~17:00)
および8月18日(土)10:00~16:00
場所:
JAMSTEC(海洋研究開発機構)横浜研究所 地球情報館
〒236-0001 神奈川県横浜市金沢区昭和町3173-25
入場無料
参照元:Jamsteeec